節談説教親鸞聖人の御一流

『藤野節の軌跡』
釈徹宗(兵庫大学准教授・宗教思想)

藤野節は、今、また新しい扉を開こうとしているのかもしれない。“枯れた"というのではなく、何かある種の“軽み"が出てきた、といった感がある。哲学者である唐木順三や民芸運動で有名な柳宗悦は、一遍上人の到達した境地を“軽み"と表現した。それが一遍上人特有の魅力だと考えたのである。藤野師の節談も、これから“軽み"や“威圧感の無さ"へと転換していくのだろうか。
その意味において、このDVDは大変貴重である。まさに藤野師の過渡期であるその瞬間をとらえたのだ。藤野節の軌跡を考える場合、とてもめずらしい時期に収録したと言えるだろう。おそらく、これから藤野師の節談は次第に変貌していくはずだ。藤野節の節談はまだ続くのである。
【解説より一部抜粋】

■DISC1
第一席 賜る信心(36分)
第二席 熊谷の入信(40分)

■DISC2
第三席 三信即一の御安心(38分)
第四席 親鸞聖人・大満読誦のご修行(48分)

収録:2008年12月6日・7日
場所:西蓮寺(大分県湯布院)

藤野宗城(ふじの・しゅうじょう)
1941年1月大阪市内の浄土真宗本願寺派寺院に生まれる。龍谷大学国文学科卒。1963年滋賀県東近江市 真宗大谷派淨念寺住職就任。
子供の頃より、高座説教、節談説教を聞いて育ち、20歳の時に初高座。大阪の山崎顕誠師より説教を学び、その後、布教の鉄則「聞け、書け、語れ」を実践し独学で研鑽。節談説教に現代法話をミックスして、老若共に聞ける説教をモットーに「藤野節」を創始し、今日に至る。
得意とする演題:「真実の母の姿」「母情仏心」「熊谷の入信」「大満読誦のご修行」他
カセットテープ:「心のめざめ」「自作曲・仏縁歌」他
CD:蓮如上人500回御遠忌イメージソング「蓮如音頭」作詞・作曲
著書:「藤野宗城説教集」「よもやま談義」他